川奈の家 照明 水

川奈の家の照明を考える。
勾配天井に珪藻土を塗る。そこに灯りをあてて、天井からの柔らかな反射で、全体の灯りをとる。
ダイニングやソファーやキッチンなどは局所照明(部分的にそこだけほんわり明るく。)にする。と、考えている。

でも、照明は、写真や言葉だけでは、ほとんど実はわからない。
ちょっと暗い、とかちょっと明るいとか、なにも説明できないのです。

あまりにもわからないので、
照明メーカーのnippo電気の岡田さんに山王の我事務所に来て頂いた。
ほとんど、講義のように話に聞き入ってしまった。間接照明の可能性について、よく考える。

翌日、5/18,
同じく照明メーカーのmaxrayへ今度はこちらから出向く。
照明の実験室のような打ち合わせ室(目黒川沿い)にて、
以前から相談にのってもらっていたこの川奈の家の照明を実際に近い、空間距離と個数で、試す。
これはちがう、いや、これはいい、などと、だいぶ、明快な考察ができた。
光は百聞一見にしかず、でした。
しかし、これをクライアントに伝えるのは、また至難の技だ。来ていただいたほうがいいかしら・・。
最終的には、現場に器具を設置して、もういちど、試す。


先週末、水の美術作品をみた。(@横浜市美術館「水の情景展」)
たとえば、横山大観の滝の絵では、滝の水は描かれていなくて、滝の隙間にみえる土や岩が描かれていた。
それでも、絵を見てると、ドワ~っという滝の音が聞こえてくる。
それがたぶん照明にもあてはまる。あるいは今回の建築にも。照明は水?

あともうひとつ景色のこと。
琵琶湖越しの山のなかの三井寺の絵(画 今村紫紅)。
ぽつぽつと山の中にあらわれる、寺の屋根。
なるべくこの家もぽつぽつとならぶ寺の屋根のように、家具のように、大島がみえるといいな、と。(この家は、雄大な大島が見えるのです。)

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