risk

前の事務所時代、お世話になっていた工務店が経営難でつぶれた。
共栄工務店。ここの仕事はすごく丁寧でしかも仕上がりがとても美しい。
わたしはここの職人さんたちに教えてもらって、現場を学んだ。
わたしにとっては、母校のようなものだった。
独立したら、どんどん仕事を一緒にやっていきたいと思っていたのに。

建築士の資格を増設する、という議論。3年に一度程度、定期的に受けなおさないと資格が失効するそうだ。アネハ氏に欠けていたのは、紙で測れる技術や能力などではなく、モラルだったはずだ。むしろ、アネハ氏は、今回の新設された資格に、かるがると合格してしまうだろう。なんなんだろう。結局、資格を増設することで、国は責任回避しようとしているだけだ。議論のすり替えじゃないか、これじゃまるで。

アネハ事件以降、ゼネコンはどこもリスクヘッジのためのルールを、今まで以上に熱心に、つくりはじめているそうだ。それは企業としては当然。だけど、そのリスクヘッジされたリスクは、当然現場にはあるべきものも含まれているような気がしてならない。つまり建築が現実の「もの」であるが故に、必然的にうまれるリスク。そのリスクの受け皿が、下請けの下請けへとまわされているだけだ、おそらく。そして小さな工務店はつぶれる。

国がゼネコンがリーダーとしての責任を回避しだしているってことか。
悲しくおそろしい。

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